タンパク質摂りすぎサイン!タンパク質一度に吸収できる量!
蛋白質はギリシャ語で「第一のもの」を意味するプロティオスという言葉に由来し、
英語ではプロテインと名付けられています。
蛋白質は私たちの心と体の基礎となる栄養素です。
血液、血管、臓器、筋肉、神経細胞、髪、
皮膚、粘膜、爪、骨、ホルモン、酵素など、
人間の体はすべて蛋白質からできています。
人間の体は70%が水ですが、
水を除くと45%が脂質、43%が蛋白質、
11%がヴィタミン、ミネラルで、1%が糖質です。
皮膚も筋肉も血管も臓器もホルモンも
神経伝達物質も酵素も主に蛋白質でできています。
地球上に生息する約150万種の生物は、すべて蛋白質を持ち、
その種類は100億とも1兆とも言われています。
1兆種もの蛋白質にはそれぞれ独自の働きがあり、その元をただせば、
たった20数種類のアミノ酸というのですから驚きです。
異なった種類の蛋白質が、
アミノ酸の種類や数や並び方により無数に生まれるのです。
アミノ酸が50個以上結合したものを蛋白質と言い、
50個未満のものはペプチドと呼ばれます。
ペプチドはアミノ酸の数が2〜10個のオリゴペプチドと
それ以上のポリペプチドに分類されます。
大豆、魚、肉など、それぞれの食品に含まれる蛋白質は、
異なったアミノ酸から成り立っているため、
それぞれの蛋白質の構成内容はかなり違います。
蛋白質を一回に摂取する量の目安は20gです。
これ以上摂取すると体が処理できないからです。
蛋白質は、そのまま私たちの筋肉や内臓になる訳ではありません。
体内の消化酵素、あるいは食物酵素の働きによって、
アミノ酸に分解されます。
アミノ酸は一旦体のあちこちにあるアミノ酸プールに蓄えられ、
その後、必要に応じて、蛋白質に再合成されます。
アミノ酸プールの残量が不足すると、
古い蛋白質が分解されて、
アミノ酸が供給されます。
蛋白質は、アミノ酸に分解されてエネルギー源になる他、
皮膚、筋肉、粘膜、血管などを作る原料にもなります。
また、代謝を促進する酵素や生体機能を調整するホルモン、神経伝達物質にもなります。
蛋白質は、遺伝子情報に従って20種類のアミノ酸が鎖状に繋がってできています。
植物や細菌は自分に必要なアミノ酸は自分ですべて合成できますが、
動物はいくつかのアミノ酸については合成能力を失っています。
それらのアミノ酸は食品から摂取しなければならないので、必須アミノ酸と言われています。
乳児や子供はもう一つ合成できない物質アルギニンがあるため、
必須アミノ酸は10種類になります。
アミノ酸は体内で働く時、
どれか一つでも少ない種類があると、
その少ないレヴェルに合わせて、
他のアミノ酸が働く性質があり、
食品によって利用効率に差があります。
人体のアミノ酸必要量を基準として、
食品中のアミノ酸組成と比較して
栄養価を算定したものを
プロテインスコアと言います。
プロテインスコアは数値が100に近いほど
体内での利用効率が高い事を示しています。
蛋白質は、脳に最も必要な栄養素であり、
絶対に欠かす事のできない心の原料です。
脳の乾燥重量の40%は蛋白質でできており、
神経伝達物質の原料も蛋白質であり、
それをキャッチする受容体も蛋白質だからです。
トリプトファンはセロトニンに、
フェニルアラニンはドーパミンとノルアドレナリンに、
グルタミンはGABAへと変換されて脳内の働き、
つまり心のバランスを整えるために機能します。
蛋白質が不足すると、
やる気、記憶力、思考力の低下、
鬱病などのリスクが高まります。
私たちの体は、常に新陳代謝が行われ、
日々新しい細胞へと生まれ変わっています。
肌は約28日周期で入れ替わっていると言われています。
皮膚の一番外側の角質層の水分量が肌の潤いを大きく左右します。
肌を美しく保つためには、
皮下組織での細胞分裂の周期を促進する必要があります。
アミノ酸にはこのサイクルを早めて、
肌を常に瑞々しく保つ働きがあります。
また、角質層に天然保湿成分が充分に行き渡る事によって、
外界の刺激から肌が守られるようになります。
蛋白質は体温を上げる効果が大きく、糖質の3倍、
脂質の5倍もの体熱産生力があり、血の巡りを良くします。
蛋白質は、糖質や脂質のように余った分を蓄えておく事ができないので、
日々の食事からしっかり摂取する事が重要になってきます。
一回の食事から実際に吸収して利用できる蛋白質の量は約40gだと言われています。
戦後、東北に脳出血患者が多い地域がありました。
その地域の食事内容を調査してみると、
極端に蛋白質が不足している事が分かりました。
血管を作っているのも蛋白質ですので、
蛋白質が不足すると脳の血管も弱くなり、
破れやすくなってしまいます。
この地域では肉や魚の摂取を
推進する運動が押し進められ、
脳出血は激減しました。
ほとんどの現代人は1日20〜30gの
蛋白質が不足しています。
日々の蛋白質不足が積み重なると、
心身への悪影響も考えられます。
人間が一日に必要な蛋白質の
目安は体重×1.5gです。
成長期の子供や、
激し運動をしている人や、
体の修復が必要な高齢者は
体重×1.5g以上が必要です。
蛋白質を摂れば筋肉が
すぐに増えるという訳ではありません。
運動をして筋肉が疲労した後、
再生される時に蛋白質が使われます。
蛋白質の摂取と運動がセットになって
初めて筋肉が作られるのです。
蛋白質は人間の体に欠かせませんが、
沢山摂ればいいという訳ではありません。
蛋白質を摂取すると体内に
毒性の強いアンモニアが発生します。
それを肝臓で尿素に変換して無毒化し、
腎臓で濾過後に尿として排泄するために、
蛋白質を摂りすぎると腎臓や肝臓に
負担が掛かってしまうのです。
また、尿素が増えると、
それを体外へ流し出すために
大量の水分も必要となります。
その結果、体が脱水症状に陥りやすくなる訳です。
さらに、蛋白質の代謝によって酸性物質が生じ、
血液が酸性に傾くため、それを中和するために、脱灰が生じます。
つまり、蛋白質の過剰摂取で骨からカルシウムが溶け出しやすくなるのです。
動物性蛋白質は消化が難しいので、
消化不良のまま大腸まで運ばれ、
悪玉菌が繁殖してインドール、スカトール、
硫化水素などの有害物質を発生させます。
このような有害物質は、にきび、吹き出物、肩凝りの原因にもなります。
また、動物性蛋白質を多く摂ると発癌率が上がるという報告もあります。
蛋白質を摂るメリット
- 蛋白質は満腹感を持続させる効果がある。
- 蛋白質は血糖値の急上昇を抑える働きがある。
- 蛋白質は筋肉を作り、より多くのエネルギーを消費する。
プロテインスコア
卵 | 100 |
---|---|
秋刀魚 | 96 |
豚肉 | 90 |
鶏肉 | 89 |
鯵 | 89 |
チーズ | 83 |
牛肉 | 80 |
大豆 | 56 |
納豆 | 55 |
豆腐 | 51 |