白菜は冬野菜の王様
白菜は中国の華北から東北部が原産の
アブラナ科アブラナ属の二年生植物です。
日本での白菜の歴史は意外にも新しく、
明治維新後の1875年に中国から導入されました。
その後、日清日露戦争で出兵した兵士が、
大陸で白菜の美味しさを知り、
種子を持ち帰った事がきっかけで
日本各地で栽培が始まりましたが、
栽培が難しくてなかなか結球しませんでした。
日本で最初に白菜の栽培に
成功したのは愛知県裁判所です。
愛知郡荒子村大字中須で
品種改良に取り組んでいた野崎徳四郎氏は、
日本で初めて完全な結球白菜を完成させました。
野崎白菜は日持ちしにくいため、
市場の流通量が比較的少なく、
「幻の白菜」とも呼ばれています。
1914年に出版された香月喜六著『結球白菜』は
日本で最も早く出版された白菜栽培の専門書です。
白菜は少し変わった野菜です。
葉が重なり合ってぎっしり詰まっているからです。
白菜の種を蒔くと最初は普通の
植物と同じような葉が出てきます。
ところが、何枚かの葉が出た後の葉は
自然に重なり合って巻いてしまいます。
そこで、中の方の葉には
太陽光が当たらなくなるので、
白くて柔らかな葉ができます。
白い葉は柔らかくて美味しいので、
「白菜」と呼ばれるようになりました。
白菜の結球様式は大きく分けて、
結球タイプ、半結球タイプ、非結球タイプがあります。
現在、日本で流通しているのはほとんど結球タイプです。
中国での白菜の主な産地は、
夏は河北省等、秋は山東省等、
冬は福建省等です。
日本での白菜の主な産地は茨城県と長野県です。
両県で全国の約半分を賄っています。
白菜は、漬物、煮物、鍋物、
和え物、蒸し物、炒め物、味噌汁など、
どんな料理にも使える万能選手です。
和風・洋風・中華など工夫次第で
食卓の主役にも名脇役にもなります。
白菜は、大根・豆腐と並び「養生三宝」と称され、
冬の精進料理には欠かせない食材となっています。
白菜は貯蔵性が高いので、
冬場の野菜不足の解消に効果的です。
白菜の95%は水分で、ヴィタミンC、カリウム、
カルシウム、葉酸などが含まれています。
特にヴィタミンCの含有量が多く、
冬場のヴィタミンC補給に最適な野菜です。
ヴィタミンCは芯よりも
葉の部分に多く含まれています。
キムチなどに加工する事で、
大幅に栄養価が引き上がります。
白菜にはカリウムが多く含まれています。
カリウムは体内の余分なナトリウムを
排出してくれる働きがあるので、
高血圧の予防に効果が期待できます。
高血圧が最大の危険因子とされる
脳卒中の予防にも効果が見込めます。
また、外傷の治癒促進や強精に作用を発揮する亜鉛や、
発癌物質の亜硝酸アミンを排泄するモリブデンというミネラルを含み、
さらに、抗癌成分のジチオールチオニンも含まれています。
鉄やカルシウムも比較的多く含まれています。
食物繊維も多く含まれているので、
整腸、緩下作用に優れています。
白菜にはアブラナ科特有の辛味成分
イソチオシアネートが含まれています。
イソチオシアネートは消化を良くしたり、
血栓や癌を予防する作用で知られています。
白菜の最も栄養の多い部分は外側です。
野菜というのは栄養素の割合が外葉が一番高いです。
白菜もキャベツも外側の葉が一番ヴィタミンCが豊富で、
次いで中の芯の部分、
一番少ないのが中間の部分と言われています。
外側の葉は捨てがちですが、実はかなり勿体ないんです。
一番外側の葉も食べた方が栄養的にはお勧めです。
栄養面から考えると外葉の方がお勧めだったりします。
白菜を50℃のお湯に2〜3分浸けて
そのまま放置すると緑菜になります。
緑菜になるとヴィタミンKがアップします。
白菜の保存方法
白菜は立てて保存するのが理想的です。
野菜は育てられている時と同じ
状態にすると鮮度が保たれます。
白菜の品種
- 結球
- 半結球
- 不結球