成長ホルモンいつ出る?いつまでどこから何歳まで?出し方は?
成長ホルモンは、脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されるホルモンです。
成長ホルモンは人が若さと健康を維持していく上で欠かせません。
成長や発達から代謝や気分まで、人間の機能のあらゆる側面に関わっています。
副腎、膵臓、卵巣、精巣などから分泌されるホルモン系全体を統括している事から、
「若さのマスターホルモン」と呼ばれています。
成長ホルモンの主な役割は、骨を作る、蛋白質の合成を促す、
新陳代謝を高める、血糖値を一定に保つ、体内の恒常性を維持する、
傷ついた細胞を修復する、肌の水分量を保つなどがあります。
体を構成する蛋白質は新陳代謝によって常に入れ替わっており、
成長ホルモンはその新陳代謝を円滑に進める手助けをしているのです。
成長ホルモンは、子供が成長する過程で大量に分泌されます。
活発でよく動き回る子供は転んだりする事が多く、
砂場や家の中の床などでよく擦り傷を作りますが、
親が心配する間もなく、瞬く間に傷は治ってしまいます。
それはHGHヒト成長ホルモンが脳から大量に分泌され、
蛋白質がすぐに合成されて傷口が塞がるからです。
成長ホルモンは皮下組織の水分含有量を高める働きがあります。
「25歳はお肌の曲がり角」と言われるのは、
成長ホルモンの急激な減少が関係していたのです。
現在までに調査されたすべての種類の動物は、
加齢に伴って成長ホルモンの分泌量が低下していく事が確認されています。
体内の成長ホルモンは平均すると、
10年毎に14%くらいの割合で減少しています。
成長ホルモンは、体脂肪を燃焼させる役割を担っているため、
分泌量が減ると体脂肪が増加して太りやすくなります。
成長ホルモンの分泌量が減ると、
蛋白質の新陳代謝が滞ります。
その結果、筋肉量や骨密度が低下してしまいます。
脳神経細胞の間で
情報のやり取りをする神経伝達物質も
元は蛋白質から作られているので、
思考や感情も蛋白質を介して行われているとも言えます。
成長ホルモンの減少に伴って蛋白質の合成が不足すると、
脳の働きが低下し、気分が落ち込むようになります。
多くの生活習慣病は成長ホルモンの減少に伴って現れます。
成長ホルモンは免疫や神経系にも関わりがあるので、
分泌量が少なくなると免疫力が低下して病気になりやすくなったり、
神経系の機能が低下して精神面での活力がなくなったりします。
成長ホルモンを分泌させるのに
最も有効なのは筋肉を壊す事です。
筋肉が壊れると、
脳は修復が必要だと判断し、
大量の成長ホルモンを分泌します。
有酸素運動でも
30分以上続けていると
成長ホルモンは分泌されます。
つまり、無酸素運動を数分行うか
有酸素運動を30分以上行うと
成長ホルモンの分泌が期待できます。
更なる応用編として提案したいのが、
無酸素運動+有酸素運動の組み合わせです。
無酸素運動によって分泌された成長ホルモンは
中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解しますが、
分解された脂肪酸とグリセロールは再合成され、
体脂肪として貯蔵されてしまいます。
無酸素運動によって成長ホルモンが分泌されると、
脂肪の分解効果は6時間も持続します。
無酸素運動を終えた時点で有酸素運動を行うと、
分解された中性脂肪はすぐに燃焼の段階に入ります。
しかもこの時点での有酸素運動は15分程度で充分です。
数分の無酸素運動+15分の有酸素運動で、
成長ホルモンの分泌と中性脂肪の燃焼という
相乗効果が得られる訳です。
成長ホルモンには、肉体を若返らせる効果があります。
単に老化を防ぐのではなく、肉体年齢が10〜20歳も若返り、
老化現象を逆転させるという事が証明されています。
成長ホルモンの分泌量が増えると具体的にどうなるのでしょうか?
疲労感がなくなり、体が軽くなり、
気分が高揚して幸せな気分になり、
視力、聴力が回復し、記憶力も高まるそうです。
お金をかけずに成長ホルモンを分泌させるには、
睡眠と運動が肝心です。
運動はスロートレーニングで充分です。
食事に関していえば、
アルギニンやオルニチンというアミノ酸は、
成長ホルモンの材料になりやすいです。
成長ホルモンは191個ものアミノ酸を
原料として体内で生成されます。
アルギニンはその主要な原料の一つです。
糖質を過剰に摂取すると成長ホルモンの分泌が阻害されます。
だからこそ、糖質を制限する事が重要です。
夕食に蛋白質を補給してスロートレーニングをして寝れば、
成長ホルモンの大量分泌効果が期待できます。
成長ホルモンは1日の分泌量の約70%が
睡眠中に放出されるのが大きな特徴です。
睡眠は大きく二種類に分けられます。
眠りの浅いレム睡眠と、
眠りの深いノンレム睡眠です。
ノンレム睡眠は4段階のステージに分けられ、
ステージIが一番浅い睡眠で、
ステージIVが一番深い睡眠になります。
就寝すると、
まずノンレム睡眠のステージIから始まり、
徐々に深くなります。
ステージIVまで達すると、
完全に熟睡状態になり、
成長ホルモンが最も多く分泌されます。
成長ホルモンの作用
- 体脂肪の燃焼
- 筋肉量の増加
- 活力の向上
- 性的能力の改善
- 生体器官の再成長
- 免疫機能の向上
- 骨塩量の増加
- コレステロール値の低下
- 血圧の低下
- 傷口の早期治癒
- 皮膚の弾力性の増大
- 毛髪の増加
- 視力の回復
- 情緒安定性の向上
- 気分の高揚
- 記憶力の向上
- 認識能力の改善
成長ホルモンの分泌条件
- 運動の後。
- 血糖値が低い状態。
- ステージIVの睡眠時。
成長ホルモンを分泌させるのに必要な栄養素
- ヴィタミンA
- ヴィタミンB5
- ヴィタミンB12
- ヴィタミンC
- 葉酸
- クロム
- 亜鉛
- マグネシウム
- カルシウム
- アルギニン
- オルニチン
アルギニン
アルギニンは成長ホルモンの分泌に大きく関係しています。
細胞活性化、免疫力向上、筋肉増強など、
様々な働きがあります。
体内ではグルタミン酸から生成されますが、
体内での合成量だけでは不充分なため、
食品からの摂取も必要と考えられ、
準必須アミノ酸と言われています。
アルギニンは大豆や鶏肉に多く含まれています。
オルニチン
オルニチンは成長ホルモンに関係のある遊離アミノ酸です。
肝臓の働きを助ける効果があり、
蜆に多く含まれています。
オルニチンは体内でポリアミンに変化します。
ポリアミンは細胞の増殖に大きく関わる物質で、
肌の新陳代謝を促進します。