ココアはフラバノールの宝庫
ココアは、カカオの種子を発酵させたカカオマスを溶かした飲み物です。
ココアの原料はチョコレートと同じカカオ豆ですが、
チョコレートは砂糖や脂肪分などを加えるのに対して、
ココアパウダーは脂肪分を取り除き粉状にしたものになります。
古代アステカ王国では、カカオ豆をすり潰してバニラやスパイスを加え、
エネルギーやスタミナを得るための強壮剤として飲まれていたそうです。
当時は、カカオ豆を煮た汁を一杯飲むと、一日中歩く事ができるとされ、
カカオ豆は不老長寿の秘薬として珍重されていました。
これこそがココアのルーツと言えます。
パナマ共和国のサンブラス諸島のクナ族は、
1日にココアを5杯以上飲んでおり、
癌、高血圧、糖尿病、心臓病、心臓発作が
並外れて少ない事で知られています。
16〜17世紀半ばまで主にスペイン、ポルトガル、
フランスなどの宮廷でココアは愛飲されていました。
高価なココアは富の象徴とされ、
スペイン王女の軽食会ではココアと
豪華な洋菓子が振る舞われていました。
1828年、オランダ人のC.J.バンホーテンが
世界で初めてココアパウダーの製造法を
発明して特許を取得しました。
カカオに含まれる脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸です。
ステアリン酸は体脂肪になりにくいのが特徴です。
オレイン酸は中性脂肪やコレステロール値を下げる効果があります。
コーヒーや紅茶に比べ、ココアはポリフェノールを豊富に含んでいます。
ポリフェノールは抗酸化作用があるので
アンチエイジング効果が期待できます。
ココアは風邪予防に効果的と言われています。
カカオポリフェノールがNK細胞を
活性化させて自然免疫力を高めて
風邪やインフルエンザなどの感染症の
予防に役立つと考えられています。
ココアにはテオブロミンという成分が含まれています。
テオブロミンには、末梢血管の拡張作用があるので血流が促進され、
冷え症改善に効果があります。
テオブロミンには自律神経を整えて
リラックスさせてくれる効果があるので、
ココアを飲むと緊張がほぐれて心が落ち着き、
副交感神経の活性が高まります。
テオブロミンは脳内物質セロトニンに働きかけて
ストレスホルモンホルモンの分泌を抑えてくれるため
リラックスさせる効果があります。
テオブロミンにはカフェインに似た
中枢神経興奮作用があるのですが
効き目が穏やかなため、
就寝前に摂っても睡眠の妨げにはなりません。
ココアの原料であるカカオ豆には
フラバノールが含まれていて、
高めの血圧を正常にするように
働きかけてくれます。
フラバノールを多く含んだココア製品は
「血圧をサポートする」として消費者庁に認められ、
2015年から機能性表示食品として発売されています。
フラバノールを多く含むココアを飲むと
血管内で一酸化窒素が作られて
血管が広がって血圧が下がります。
血管のしなやかさはFMDという値で分かります。
フラバノール量が多いほどFMDの値は高くなり、
しなやかな血管になります。
フラバノールは紫外線から肌を守り、
肌の細胞の循環を増殖させ、
肌の見た目と肌触りを滑らかにし、
美肌効果をもたらします。
フラバノールは人間の腸内で乳酸菌や
ビフィズス菌などの善玉菌を増やして
クロストリジウム菌などの悪玉菌を減らしてくれます。
フラバノール高含量のココアを飲み続けると
脳の血流が良くなって記憶力などの
認知機能が改善されるという効果が出ています。
ココアにはリグニンという不溶性食物繊維が含まれています。
ココアはリグニンの割合が飛び抜けて多いです。
リグニンは腸内の善玉菌を増やして、
悪玉菌を減らす働きがあります。
ピュアココアには牛蒡の約4.2倍の食物繊維が含まれています。
ココアの恩恵を享受したいのであれば
どんなココアでもいい訳ではありません。
糖分も乳脂肪分も入っていない純ココアでないと
体重が増えたり、血糖値が上がってしまう事もあります。
ココアの品種
- フォラステロ種
- クリオロ種
- トリニタリオ種