二木式とは
二木謙三先生は、東京帝国大学医学部の教授で、二木式健康法の創始者です。
日本医学界の重鎮であり、ノーベル医学賞候補になったとも言われています。
國學院大學名誉教授の二木謙一先生の祖父でもあります。
二木謙三先生は、幼い頃から病気がちで、
それが原因で小学校の入学が二年も遅れたそうです。
そこで虚弱体質を克服するため、腹式呼吸、
冷水摩擦、駆け足などを熱心に実行したそうです。
次第に健康体になり、大学へ入ってからは、
神経衰弱も皮膚病も腎臓病も治ったそうですが、
どうしても胃酸過多症だけがなかなか治らず、
しばらくの間、悩まされ続ける事になります。
ところが、1920年にインフルエンザが非常に流行したので、
昼食を摂る暇もなく、しばらく昼食をやめていたそうです。
すると、どういう訳か胃の具合が大変よくなったそうです。
その後、一日一食にしてみたところ、
胃酸過多症が治ってしまったそうです。
二木謙三先生は、東京帝国大学を定年退官された後は、
毎日夜12時に眠って午前3時に起き、
新宿の自宅から理事長を務める池袋の
豊島女子学園まで歩いて通っていたそうです。
日本人に適した食べ物は、五穀と野菜です。
日本人ばかりでなく、
人間は植物の上で発達したものです。
動物はみな植物からヴィタミンを借りて生きています。
虎や獅子は、ヴィタミンを兎から借りていて、
兎はヴィタミンを野菜から借りています。
魚もヴィタミンを海藻から借りています。
事実、生命素、ヴィタミン、ホルモンなどは、
みな植物体に発達したものです。
それを動物が借りているのであるから、
人間が動物食を摂るという事は、
借りものを又借りする事になるから、
生命素が足りなくなるのです。
植物性食品を多く摂るのを勧めるのはそのためです。
元来、植物は、水、空気、無機物などを集めて、
太陽光線を借り、
それらを有機物にして細胞組織、
臓器をこしらえています。
その臓器の集まりが動物になるのだから、
動物が精力を保存していくためには、
植物がなければできません。
動物には、元素を食べ、
無機物を食して、太陽光線に当たって
細胞をこしらえて組織をこしらえるような力はありません。
ただ植物だけがそのような尊い働きを持っているのです。
二木謙三先生自身は、
500kcal程度の朝食のみの一日一食で、
朝の6時に玄米三勺、
二分間煮野菜、
果物という内容だったそうです。
中でも玄米は諸栄養の
ほとんどを含む最高の完全食であり、
玄米に生野菜を添えれば、
あとは何も要らないと力説し、
一日一食、玄米菜食を50年近く貫き、
その効用を実証されました。
人間には、それぞれ、
これ以上食べたら病気になるという最大の食糧があり、
これを十とすれば、
大体三くらいのところが
その人の最小限の食糧です。
昔から腹八分に医者いらずと言われていますが、
三と十との中間くらい、
すなわち七、八分のところを食べるのが適量なのです。
普通の人は最大限近くまで食べて病気をしていますが、
二木謙三先生は最小限に近く、
これ以上少なかったら痩せるだろうという程度の食事だったので、
絶対に胃腸を悪くする事がなかったのです。
塩谷信男先生も石原結實先生も
二木式健康法を実践して
虚弱体質を克服されたそうです。
二木謙三先生の弟子で
東京女子医大名誉教授の
三神美和先生は106歳という長寿を全うされました。
長寿者の共通点として浮かび上がってくるものは、
少食で短眠で早起きで体を動かすという事です。
少食少眠多学多動こそが
究極の不老長寿法なのです。
二木謙三先生の日課
- 玄米食
- 一日一食
- 腹式呼吸
- 睡眠二時間
- 明日を思わない
- 三里歩く
二木謙三先生の健康十訓
- 食べるのを少なくし、噛むのを多くせよ。
- 車に乗るのを少なくし、歩くのを多くせよ。
- 着るのを少なくし、浴びるのを多くせよ。
- 心の悶えを少なくし、働く事を多くせよ。
- 怠ける事を少なくし、学ぶ事を多くせよ。
- 語る事を少なくし、聞く事を多くせよ。
- 怒る事を少なくし、笑う事を多くせよ。
- 言う事を少なくし、行う事を多くせよ。
- 取る事を少なくし、与える事を多くせよ。
- 責める事を少なくし、誉める事を多くせよ。