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筋肉どれくらいでつく?どれくらいで落ちる?何日で落ちる?

筋肉どれくらいでつく

私たちの体を動かす原動力は筋肉です。
筋肉は人体で最大の器官であり、
男性で体重の約48%、
女性で約36%を占めています。

 

筋肉は骨や関節に比べて蘇生するのが早く、
わずか48日で半分生まれ変わります。
しかも、筋肉は何歳になってからでも
食事や運動で増やす事ができます。

 

人間の筋肉の70%以上は下半身に存在し、
筋肉には毛細血管が通っていますから、
筋肉が豊富な所には血液が多く存在します。

 

人間の体には約650個もの筋肉があります。
筋肉を大きく分けると、自分の意思で動かす事のできる随意筋と、
自分の意思で動かす事のできない不随意筋があります。

 

随意筋はアウターマッスルと呼ばれています。
不随意筋はインナーマッスルと呼ばれています。

 

随意筋は、腱によって骨格につくので「骨格筋」とも呼ばれています。
骨と連動して体を動かす他、姿勢を保つ、
臓器を保護する、衝撃吸収などの役割を担っています。
随意筋には赤筋と白筋があります。

 

赤筋と白筋の繊維数の割合は遺伝的に決まっており、
アングロサクソンの多くは白筋の割合が多く、
モンゴロイドの多くは赤筋の割合が多いです。

 

赤筋は別名「遅筋」と呼ばれています。
姿勢の保持や長時間の運動で用いられる筋肉で、
収縮が遅く力も弱いのですが、
持続力があって疲れにくいという特徴があります。
赤筋は脂肪酸を分解するミトコンドリアを多く含んでおり、
脂肪酸の分解には酸素を必要とします。
赤筋を使った運動は有酸素運動と言い、
脂肪を燃焼する筋肉と言えます。
赤筋は鍛えると細くなります。
鰹や鮪などの長距離を移動する回遊魚が赤身なのは筋肉の働きと関係しているのです。

 

白筋は別名「速筋」と呼ばれています。
素早く力強い動きをする筋肉で、
ミオグロビンの量が少ないために白い色をしています。
重量挙げや短距離走など瞬発力を必要とするスポーツで鍛えられますが、
疲れやすいという特徴があります。
運動時のエネルギー源としてはグリコーゲンを使います。
グリコーゲンなら素早くエネルギー源になるという利点があります。
白筋を使った運動は無酸素運動と言います。
白筋は鍛えると太くなります。
移動距離が少ない鯛などの魚が白身なのは筋肉の働きと関係しているのです。

 

遅筋=赤筋⇒軽量・多回数の運動で発達
速筋=白筋⇒重量・少回数の運動で発達

 

一般的にトレーニングで鍛える対象となるのは太くなりやすい速筋です。
速筋が増えると、成長ホルモンの働きを阻害するインスリンの過剰な分泌が抑制されます。
速筋が増えると、基礎代謝量が上がります。
基礎代謝量は1日に消費するエネルギーの70%を占めており、
その30〜50%は筋肉で消費されます。
速筋が増えると自然に厳しい食事制限をしなくても脂肪が燃焼しやすい体質になります。

 

不随意筋は、自律神経やホルモンによって働きをコントロールされている筋肉で、
意思で動きを制御する事はできません。
不随意筋には、心筋と平滑筋があります。

 

心筋は、心臓を休みなく動かしている筋肉です。
絶えず動き続け、全身に血液を送る重要な役割を担っているため、
網目状の丈夫な組織になっています。

 

平滑筋は、血管や内臓を作る筋肉で、内臓筋とも呼ばれています。
随意筋とは違い、骨にくっ付いていません。
胃や腸の蠕動運動などのように、その動きはゆっくりしており、
疲れにくいのが特徴です。

 

体の中でも特に基礎代謝活動が活発なのは、筋肉、胃腸、肝臓の三ヶ所です。
中でも筋肉は、基礎代謝全体の四割を占めています。
つまり、筋肉量が多ければ基礎代謝も高い訳です。

 

基礎代謝が活発に行われる場所は、筋肉、肝臓、消化器の三ヶ所ですが、
このうち自分で代謝力を高める事ができるのは、筋肉だけです。
しかも、筋肉は代謝全体の七割を担う重要な器官です。
これを強化しない訳にはいきません。

 

成長期には背が高くなるにつれて増えてきた筋肉ですが、
加齢に伴って今度は筋肉が落ちていきます。
筋肉がどの程度減少するかは部位によって異なります。
腕の筋肉は歳を重ねてもあまり減りません。
加齢に伴って特に落ちやすいのは、首の筋肉や腹、背中、尻、太腿前部の筋肉です。
これらは立ったり座ったり歩いたりといった日常生活に必要な筋肉ばかりです。

 

筋肉は20歳頃をピークに、年に1%の割合で減っていきます。
年齢を重ねるにつれて内臓機能の働きが衰えるため、さらに基礎代謝が低下し、
脂肪が蓄積され、それが筋肉があった場所に陣取るようになります。
つまり、体の中で筋肉と脂肪の入れ替えが起こるようになるのです。

 

筋肉は、筋繊維でできています。
体の他の細胞は傷ついたら新しい細胞と入れ替わる仕組みになっていますが、
筋肉を作る筋繊維は巨大な細胞なので、すぐに新しい細胞へと交換できません。
筋繊維は壊れた部分を交換ではなく補修するような仕組みになっています。
補修する際には、傷つけられた衝撃に耐えられるように以前より強くなります。
筋肉の力は筋繊維の断面積に比例するので、強くなるには筋繊維が太くなる必要があります。
つまり、筋肉トレーニングとは、強い負荷を掛けて筋繊維を傷つけ太くする行為と言えます。

 

筋繊維では同化と異化という
二つの作業が同時進行しています。
同化が上回れば筋肉が増え、
異化が上回れば筋肉が減ります。
従って、筋肉量を増やすためには、
同化の促進と異化の抑制の二つが鍵となります。

 

筋肉に痛みが起こるのは、
筋肉が壊れた時ではありません。
新しい筋肉が作られる時に筋組織が
神経を刺激して痛くなるのです。

 

人間の体内でブドウ糖を取り込む最も大きな臓器は筋肉です。
筋肉が増えると、より多くのグリコーゲンが溜められるようになります。
血糖を入れるタンクが大きくなるので、
インスリンが血糖値を下げる効果が高まります。
筋肉トレーニングを習慣化すると、
筋肉のGLUT4が血糖を取り込む能力も高くなります。

 

体温を高めるには、
@筋肉量を増やす。
A筋肉を動かす。
この両輪を同時に行う必要があります。

 

筋肉は体を稼動させる器官であると同時に、
体温の維持・向上にも大きく寄与しています。
体内の熱生産の約6割が筋肉、2割が肝臓や腎臓、2割が褐色脂肪です。
肝臓や腎臓はどうにもなりませんが、筋肉量はトレーニング次第で増やす事ができます。
熱源である筋肉を鍛えると、体温が上がりやすい体質になります。
そうすると、結果的に冷え症が改善されます。
筋肉は血流を促進する役割も担っているため、
冷え性の人にありがちな血行不良も解消されます。
理論上、体温は筋肉量に比例します。。
筋肉を限界まで発達させるボディビルダーは、平熱が37度以上もあるそうです。

 

筋肉を鍛える事は、心臓の働きを助ける事にも繋がります。
血液は心臓が収縮する事によって全身を循環していると思われがちですが、
実際は体中の筋肉が収縮・拡張する事で、血管も収縮・拡張し、血流が促進されるのです。
これをミルキング・アクションと言いますが、
この動きによって心臓の負担が軽くなる訳です。
筋肉を鍛えれば筋繊維が太くなります。
筋繊維が太くなれば、そこに毛細血管も新生されて血液の通り道が増えるため、
ますます心臓の労力が軽減される訳です。

 

一般的に運動は、息を止める事なく続けられる有酸素運動エアロビクスと、
酸素の供給がなくてもできる無酸素運動アネロビクスに分けて考えられています。
ところが現在では、この分け方にはあまり意味がないという事が分かっています。
筋肉トレーニングを適切に行うと、有酸素と無酸素の効果を同時に得られるからです。

 

運動によって筋肉を鍛えると、
@毛細血管が新生されて血液の通り道が増える。
A運動で上昇する体熱によって血中の老廃物が燃焼され、血管内を流れやすい血液になる。
Bストレスが解消される。
C交感神経が抑制され、副交感神経が亢進される。
D心機能が向上する。
という効果が認められています。

 

筋肉を動かすと、細胞への糖の取り込みをスムーズにするGLUT4の働きが活性化します。
この事によって運動後すぐに血糖値が下がり、筋肉への糖の取り込みが増加して、
その効果は数日間持続します。

 

脂肪の水分含有量は20〜30%しかありませんが、
筋肉の水分含有量は65〜70%もあります。
肥満の人より筋肉質の人の方が水分量が豊富です。
筋肉を発達させるためには水分摂取は必須です。

 

筋肉を維持するための第一の栄養素は糖質です。
二番目に筋肉を育ててくれる栄養素は必須アミノ酸です。
必須アミノ酸の中でも特に筋肉に貢献しているのが分岐鎖アミノ酸です。
分岐鎖アミノ酸とは、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類のアミノ酸の総称で、
通常BCAAと呼ばれており、
体を構成する必須アミノ酸の約35%を占めています。

 

筋肉細胞そのものを作るホルモンは、
成長ホルモンとテストステロンです。
これらのホルモンは、筋肉に強い負荷を掛けると沢山分泌されます。

 

若返りホルモンである成長ホルモンは
16歳前後をピークに徐々に減少します。

 

幼児期、成長期は圧倒的に分泌量が多く、
成人後は加齢に伴って分泌量は徐々に減少し、
40代で約半分に、80代では20分の1にまで減少してしまいます。

 

成長ホルモンには主に次の四つの働きがあります。
@筋や骨の成長。
A体脂肪を落とす。
B免疫系の活性化。
C皺を減らす。

 

成長ホルモンの投与をしなくても、
運動によって成長ホルモンは出るのです。

 

歳をとっても体内で成長ホルモンを作れなくなる訳ではなく、
分泌が抑えられて少なくなっているだけなのです。

 

成長ホルモンは、太腿、お尻、お腹、背中の筋肉など、
特に大きな部分の筋肉を動かした時ほど分泌されます。

 

高齢者でも加圧トレーニングやスロートレーニングを行えば、
成長ホルモンhGHやインスリン様成長因子IGH-1の
分泌が著しく増える事が分かっています。

 

成長ホルモンの分泌を増やす事で、
全身の代謝を高め、脂肪を減らし、
筋肉を増やし、骨を丈夫にし、
元気を取り戻し、記憶力や学習能力を高め、
全身を若返らせる事が可能になります。

 

同じペースで行う運動では、
成長ホルモンは分泌されません。
ウォーキング、ランニング、サイクリングなどは、
あまり意味がありません。

 

成長ホルモンを分泌させるためには、
1回45分以内の運動を週1〜2回、
筋肉トレーニングを自分の限界まで行うのが鉄則です。
間に休憩を長く入れると体が回復するので
自分の限界に達しません。
筋肉が完全に回復しきらない状態で続けた方が、
筋肉の合成を促す成長ホルモンの分泌が盛んになります。
次の日は筋肉痛で階段を上がれないくらいにトレーニングするのが肝です。

 

トレーニング後、筋肉が再合成するのに必要な時間は、
部位によって24〜72時間に分かれていて、
大きい部位ほど再合成するのに時間がかかります。

 

前腕、腹部、下肢は毎日トレーニングしても構いません。
大殿筋、脊柱起立筋などの大きい筋肉は、
再合成するのに時間がかかるので、
トレーニングの頻度は週2日にするのが望ましいです。

 

新しく作られた腰から下の筋肉からは、
マイオカインという若返りホルモンが分泌される事が分かっています。
マイオカインには、脂肪分解、癌予防、高血圧予防、糖尿病予防、
動脈硬化予防、認知症予防などの薬のような効果があるとされています。
マイオカインは新しくできてから四ヶ月までの筋肉からしか分泌されません。
ですから、定期的に腰から下の古い筋肉を壊し、
新しい筋肉を作る事が若返りには欠かせないのです。
腰から下の筋肉は良薬を生み出すための善玉ホルモン分泌器官なのです。

 

筋肉トレーニングをすると動脈硬化が悪化して血管が硬くなるという報告があります。
筋肉トレーニングをするなら強度を落としたマイルドな運動が望ましいです。
有酸素運動と組み合わせたコンバインド・トレーニングが望ましいです。
筋肉トレーニングによる動脈硬化を予防するためには、筋肉トレーニングを行った後、
クーリングダウンといって15分間のストレッチをすると血管が硬くならない事が分かっています。

 

トレーニング後にストレッチを行う事は
筋肉の疲労回復や筋肉痛予防のために
とても効果的です。

 

トレーニング前には
蛋白質が分解されるのを防ぐために
分岐鎖アミノ酸BCAAを補給しましょう。

 

トレーニング後には
筋肉の合成を促進するために
ロイシンを含む蛋白質を補給しましょう。

 

筋肉トレーニングは最初は
成果を感じづらいかもしれません。
筋肉は三ヶ月単位で生まれ変わるものなので、
地道に継続する事が成功の鍵です。

 

筋肉の四つの役割

  • 力を発生して運動の源となる。
  • 熱源となる。
  • 循環の補助作用をする。
  • 外部の衝撃から体を防御する。

 

筋肉を鍛える順番は下半身⇒上半身⇒体幹

@スロースクワット
Aプッシュアップ
Bバックエクステンション
Cニートゥチェスト
Dアームレッグクロスレイズ

 

優先的に鍛えるべき筋肉トップ5

@大腰筋
A大腿四頭筋
B腹直筋
Cふくらはぎの筋肉
D上肢の筋肉


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