アトキンス式とは
ロバート・アトキンス博士は、心臓病の外科医で、
低炭水化物ダイエットの元祖です。
専門の心疾患治療のため、
科学的研究により独自の低炭水化物ダイエットを確立しました。
その後、約30年にわたり、5万人以上の患者を治療、
アメリカにおいて最大級の実績を上げ続け、
今なお「ダイエットの神様」として支持されており、
様々なメディアにも紹介されています。
日本では成人男性の約30%、
成人女性の約20%が肥満です。
肥満解消のためのダイエット方法は色々ありますが、
中でも最も効果が高いのが
アトキンス式低炭水化物ダイエットです。
日本人の食事の7割は炭水化物と言われていますが、
炭水化物は体内で消化吸収された後、
筋肉と肝臓にグリコーゲンという形で貯蔵されます。
このグリコーゲンが筋肉を動かすエネルギー源となります。
体内に貯蔵できるグリコーゲンには限りがあり、
この貯蔵量を超える炭水化物を摂取すると、
余剰分が脂肪に回ります。
そのため炭水化物を過剰に摂取すると、
肥満の原因となります。
アトキンス式低炭水化物ダイエットとは、
普段の食事から炭水化物を極端に減らす事で、
血糖値及びインスリンをコントロールし、
体脂肪を燃焼しやすい体質に変えていく事によって減量するという食事療法です。
炭水化物の摂取量は、一日40g以下という厳しい制限を設けます。
食事の量はそれほど問題ではなく、食事の質を変えさえすれば、
満足するまで食べても自然に痩せる事ができます。
極端に制限されるのは炭水化物だけで、
脂質や蛋白質には制限がありません。
食欲を抑制しつつ、空腹感を覚える事なく、
体脂肪を効率よくエネルギーとして利用するため、
筋肉が減少する事がありません。
さらに、血液中の中性脂肪が減るので動脈硬化の予防にも繋がります。
人が動かなくても使うエネルギーの比率
脳 | 20% |
---|---|
心臓 | 9% |
肝臓 | 21% |
腎臓 | 8% |
骨格筋 | 22% |
脂肪組織 | 4% |
アトキンス式低炭水化物ダイエットのメリット
@ | 体脂肪が燃焼されすい体質になる。 |
---|---|
A | 美味しいものを満足するまで食べられる。 |
B | ダイエット後の体重を維持しやすい。 |
C | 体調が良くなり、健康を促進する。 |
脂肪がエネルギーとして使われるには、
@脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪が分解され、遊離脂肪酸として血液中に放出される。
A遊離脂肪酸が筋肉や臓器に取り入れられてエネルギーとして消費される。
という二段階が必要です。
肥満の主な原因は、体の代謝機能にあります。
肥満の人は、標準体型の人よりも摂取カロリーが少なくても太ってしまいます。
肥満は、インスリン分泌過剰症やインスリンの抵抗性と深い関わりがあるのです。
肥満の主な原因は代謝異常ですから、異常を正常に戻してあげれば解決できます。
インスリンの代謝異常は、炭水化物の摂取を極力控える事によって改善されます。
代謝異常が改善されると、以前よりも摂取カロリーが多くても太りにくい体質になります。
カロリーの摂取量が低ければ痩せるというカロリー神話は、実は全くの誤解だったのです。
炭水化物を制限したダイエットは、断食するよりも効果的に脂肪組織を溶かしていきます。
心臓病、糖尿病、高血圧のような生活習慣病は、実は、インスリン分泌過剰症の産物です。
甘いものを食べたくなるのは危険信号です。
これは炭水化物の代謝メカニズムが暴走してしまった証拠です。
お腹が空いていないのに食欲があるのは、精神障害ではありません。
体内でインスリン分泌過剰症という化学的な障害が起きているのです。
まずは、インスリンの放出をせき止める事です。
生命維持のためにエネルギーは必要ですが、食事でエネルギーを摂る必要はありません。
ケトーシス・脂肪分解を利用してインスリンを出さずにエネルギーを確保するのです。
血糖値が低くなると、脳は「糖質を摂りなさい」と命令を出します。
このような欲求が起きた場合、体内に変化をもたらして対処します。
脂質やたんぱく質が豊富で、炭水化物がほとんど含まれていないもの、
これを食べれば「糖質を摂りなさい」という脳からの信号も止まります。
ここで一番のおすすめはマカダミア・ナッツです。
マカダミア・ナッツはケトン体産生比率が高いので、
食欲を満たし、結果的に一日の摂取カロリーが少なくなります。
しかも、ナッツ類は携帯性に優れているという利点もあります。
アボカドもおすすめの食品です。
アボカドは果物にしては珍しく脂質、
主に単不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。
低炭水化物ダイエットで痩せる理由は、インスリンの分泌が抑えられるからです。
炭水化物を多く摂ると血糖値を下げるためにインスリンが分泌されますが、
このインスリンには脂肪の分解を抑えて合成を高める役割を担っています。
このため、インスリンは別名「肥満ホルモン」とも呼ばれています。
低炭水化物ダイエットでインスリンの過剰な分泌を抑えると、
脂肪の分解が進んで痩せやすくなります。
体は炭水化物を欠くと、脂肪を燃やしてエネルギーに換えるようになります。
アトキンス式低炭水化物ダイエットでは、この脂肪分解の状態を誘発します。
この脂肪分解はケトーシスと呼ばれ、この作用こそが痩せる仕組みなのです。
体の脂肪を燃焼すると、副産物としてケトン体という炭素化合物ができます。
このケトン体を燃料として利用するのが、ケトン体誘発ダイエットなのです。
体内に貯蔵されている炭水化物は48時間程度で底をつき、ケトーシスに突入するはずです。
人体は、燃焼するエネルギーが不足すると、自分の体の脂肪をエネルギーとして燃焼させます。
ケトーシスは断食と同じで、栄養が48時間以上補給されなければ、体は空腹を押さえ込みます。
ケトーシスが起こると、断食と同じで、グリコーゲンの蓄えを使い果たし、食欲が抑制されます。
脳細胞はブドウ糖よりもケトン体を好むそうで、ケトン体の方が脳内では吸収されやすいそうです。
断食とアトキンス式低炭水化物ダイエットを組み合わせるという方法もあります。
アトキンス式低炭水化物ダイエットを利用して、脂肪分解物質が生産されるきっかけを作り、
ケトーシスを誘発させてから断食に入れば、強烈な空腹感や苦痛を体験しなくて済むのです。
断食をすると、他のどんなダイエットよりも脂肪分解物質が多く生産されます。
脂肪分解物質が生産されると、ケトーシス・脂肪分解が起こり、食欲が抑制されるのです。
これで、体内にエネルギーを確保する新しい道順が形成された事になります。
体は脂肪をエネルギーとし、炭水化物燃焼体質から脂肪燃焼体質に変化します。
そして、肥満の世界に帰る事なく、スリムの世界に永住する事ができるのです。