桃とは
桃は、中国原産のバラ科モモ属の落葉小高木の果実です。
桃は生命力が強い事から不老長寿の象徴とされ、
古代中国では「仙人の果物」とされてきました。
中国から日本に伝わったのは弥生時代と言われていますが、
本格的に栽培を開始したのは明治時代になってからです。
日本では、山梨県、福島県、長野県などで栽培されています。
桃の生産量が日本一なのは山梨県笛吹市です。
市内にある飲食店では様々な桃の料理を味わう事ができます。
桃のピザ、桃のカレー、桃のワインなど、一大産地ならではのラインナップです。
桃の糖分は未熟期には果糖、ブドウ糖が多いのですが、
成熟期になると蔗糖を多く含みます。
酸味は控えめながらクエン酸、リンゴ酸を含み、疲労回復を促してくれます。
桃には、ナイアシンという水溶性ヴィタミンの一種が比較的多く含まれています。
ナイアシンは、糖質、脂質、蛋白質から細胞でエネルギーを産生する際に酵素の働きを助けたり、
皮膚や粘膜の健康を維持したり、冷え症を改善する効果があります。
桃に含まれているカリウムは、ナトリウムを排泄する役割があり、
高血圧の予防に効果が期待できます。
桃には水分やカリウムが多く含まれているので、
熱中症予防対策に最適な果物です。
桃には、アスパラギン酸というアミノ酸の一種が多く含まれています。
アスパラギン酸は蛋白質の合成に使われますが、
それ以外にもエネルギーや窒素の代謝を高めたり、
ミネラルを全身へスムーズに運んだりする働きがあります。
この作用によって、素早い疲労回復を促進します。
アスパラギン酸は尿の合成を促進する作用があるため、
体内に残ると毒性を発揮するアンモニアを体外に排出して中枢神経を守ります。
食物繊維は、水に溶けにくいタイプの不溶性食物繊維と、
水に溶けるタイプの水溶性食物繊維に分けられます。
水分の多い桃には、水溶性食物繊維が含まれています。
この食物繊維には、整腸作用のあるペクチンが豊富に含まれており、
蠕動運動を促して、腸内環境を良好に保つ役割を担っています。
桃の種子は、漢方では「桃仁」と呼ばれ、駆於血作用があり、
女性の生理不順、肩凝り、頭痛に効く漢方薬である桂枝茯苓丸の主成分です。
江戸時代には、夏の土用に桃葉風呂に入る習慣があったそうです。
桃の葉にはタンニンなどが多く含まれており、消炎、収斂、止血、制菌の作用があり、
生の葉500gを湯舟に入れて入浴すると、汗疹、湿疹、爛れ、被れなどに効果があります。
開花直前の蕾は「白桃花」と呼ばれる生薬で、
含有成分のケンフェロールには利尿、緩下の作用や、
女性ホルモンの働きを活発にする作用があります。
桃は高血圧や動脈硬化などの原因ホルモンであるアンジオテンシン2の働きを抑制します。
アンジオテンシン2の活動を大幅に抑制する事で、活性酸素の発生を抑える事ができます。
熟したらあっという間に傷んでしまうので、
なるべく早めに食べ切るようにします。
桃の品種
- 白鳳
- あかつき
- 川中島白桃
- 日川白鳳
- 浅間白桃
- 清水白桃
- 一宮白桃
- 加納岩白桃
- みさか白鳳
- ゆうぞら
- 長沢白鳳
- 黄金桃
- 暁星
- 白桃
- なつっこ
- 蟠桃
- ネクタリン
桃の薬効
- 整腸作用
- 寝汗改善
- 汗疹改善
- 湿疹改善
- 高血圧予防
- 動脈硬化予防
- 心筋梗塞予防
- 脳梗塞予防
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