蜜柑とは
蜜柑は、アジア南部原産のミカン科の常緑低木の果実です。
原産地は約3000万年前のインド、タイ、ミャンマーあたりとされています。
しかし、最初に栽培を始めたのは、やはり中国のようで、
紀元前22世紀の文献にその記述が残っています。
柑橘品種の概念もやはり中国が最初で、
約4000年前の栽培史には、
柑橘品種を柑、橘、橙に分け、
柑18品種、橘14品種、橙5品種とし、
その特性までもが詳細に書かれているそうです。
日本でも蜜柑の歴史は古く、
『日本書紀』や『魏志倭人伝』にも橘が登場しています。
果実には、ヴィタミンA・C・Eやカリウム、カルシウム、リンなどが多く含まれ、
果皮には、α-ピネン、ミルセン、リモネン、シトロネラールなどの精油成分が含まれています。
蜜柑の黄色素には、β-クリプトキサンチンというカロテノイドの一種が多く含まれており、
その含有量は果物の中でもトップクラスです。
日本人にとってβ-クリプトキサンチンの最大の供給源になっているのが蜜柑です。
血中β-クリプトキサンチン濃度から蜜柑の摂取量を推定できる事も分かっています。
β-クリプトキサンチンは体内でヴィタミンAとして働き、
消化器官や視力を保持してくれます。
β-クリプトキサンチンには、
肺癌を予防したり、
骨密度の低下を抑えたり、
脂肪肝を改善させたり、
インスリン抵抗性を半減させたり、
認知症を予防するなどの効果が期待できます。
蜜柑には収穫時期によって極早生から晩生まで様々な品種がありますが、
収穫時期が遅い品種ほどβ-クリプトキサンチンの含有量が多い傾向にあります。
β-クリプトキサンチンは露地栽培よりもハウスミカンに多く含まれています。
糖度が高い蜜柑ほどβ-クリプトキサンチンの含有量が多いです。
β-クリプトキサンチンは温州蜜柑の果肉に多く含まれており、
果実1個に1~2mg含まれています。
温州蜜柑を1日1個食べていれば、
癌予防に有効な量のβ-クリプトキサンチンを摂取できます。
蜜柑の果肉と果皮を一緒に食べる工夫をすれば、
異なるメカニズムの抗癌物質を同時に摂取できます。
蜜柑には、リモノイドという苦味成分のファイトケミカルが多く含まれ、
抗菌、抗細菌、抗腫瘍、抗ウイルス、抗マラリアなどの様々な治療効果が確認されています。
蜜柑の酸味主成分は、クエン酸という有機酸の一種です。
クエン酸を摂取すると、クエン酸回路が活発に働き、
疲労の素である乳酸を分解してくれます。
その結果、食欲が増進され、
新陳代謝が活発になり、
自然治癒力が向上します。
整腸を促し、血中コレステロール低下作用を有する食物繊維のペクチンは、
蜜柑の袋に多く含まれているため、
袋ごと食べると健康効果が高まります。
袋や白い筋には、ヘスペリジンというフラボノイドの一種が含まれていて、
毛細血管の強化したり、血圧の上昇を抑制したり、
血中の中性脂肪を分解する効果があります。
蜜柑の皮を乾燥させたものは陳皮と呼ばれ、
漢方で用いられています。
陳皮を粉にしたものは七味唐辛子などにも使われており、
入浴剤として使うと、体を温める効果があります。
蜜柑の品種
- 早生品種
- 中生品種
- 晩生品種
蜜柑の薬効
- 痩身効果
- 血管強化
- 風邪予防
- 癌予防
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