アセンション2015

肥満は自己免疫疾患を招く

肥満

肥満とは、西洋医学の定義によると、体に脂肪が蓄積された状態の事です。

私たちの体は大まかに、水分、筋肉、脂肪の三つで構成されています。
最も多いのが水分で体重の50~60%を占め、筋肉は15~20%、残りは脂肪です。

脂肪細胞の数は乳児期と思春期にほとんど決まります。
乳児期や思春期に栄養過剰になると、
その栄養を蓄えようとして脂肪細胞の数が増え、
脂肪を溜め込みやすい体に成長します。

体に脂肪があるからこそ、私たちは物理的な衝撃から体や内臓を守る事ができます。
また、温度の変化から体を守り、体温を保つ事ができます。

脂肪は重要な役割を担っているのですが、
脂肪が多過ぎると体に悪影響を及ぼします。
それが肥満です。

我が国の基準では腹回りが男性で85cm以上、
女性で90cm以上あると内臓脂肪型肥満と見なされます。

脂肪細胞は単なるエネルギーの貯蔵庫ではありません。
脂肪細胞は様々なホルモンを分泌する内分泌臓器なのです。

内臓脂肪はインスリンの効きを悪くする物質を三つも出しています。
レジスチンとTNFαとレプチンです。

痩せている人の部屋は整頓されていて綺麗ですが、
太っている人の部屋は散らかっているというデータがあります。
掃除や整理整頓などの活動量に差が出ているのかもしれません。

肥満者は交感神経の活動が低いと言われています。
交感神経は私たちの体重や体脂肪の調整をしています。
交感神経がきちんと働いていれば、
人間は極端に太らないようにプログラムされているのです。

肥満者は交感神経の活動度が低下しているため、
レプチンに対する反応不全を引き起こし、
満腹中枢が刺激されないため、
過食に拍車がかかります。

肥満の人の腸内細菌叢と、健康な人の腸内細菌叢を比べると、かなり違います。
人が食べるとどのくらい太るかは腸内細菌叢がある程度決めているのです。
腸内細菌叢がその人の体格を決めているのです。

肥満の人の腸内環境は悪いし、免疫力も低下しています。
腸内環境が悪い時は栄養を吸収しにくい状態になります。
腸がきちんと栄養を吸収できなければ、
栄養は細胞に取り込まれないので、
脂肪として蓄積されてしまうのです。
今、肥満の人でも腸内環境が良くなるに従って自然に痩せるようになります。

肥満の人の腸にはファーミキューティス属の腸内細菌が多いです。
痩せている人の腸にはバクテロイデス属の腸内細菌が多いです。

肥満の人の腸に多いファーミキューティス属の菌は、
食べた物を過剰に消化しすぎた結果、
食べ物から栄養を吸収し過ぎてしまう事が分かっています。
痩せている人の腸に多いバクテロイデス属の菌は、
過剰に栄養を吸収しないので痩せやすい体質でいられるのです。

肥満の人の脂肪細胞を顕微鏡で見てみると、
脂肪細胞が炎症を起こしているのが分かります。
肥満という事自体が炎症なのです。

肥満というのは免疫異常そのものです。
肥満は生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
肥満を解消して体脂肪を適切に管理すれば生活習慣病を予防できます。

肥満の要因は様々ですが、
根本的な理由として基礎代謝の低下が挙げられます。
基礎代謝が低くなれば、以前と同じ量の食事を摂っても、
消費エネルギーが減った分、脂肪が蓄積されやすくなります。
基礎代謝は筋肉を鍛える事で維持できます。

食事をする上で最も重要なのは噛む回数です。
噛む事は、食べ物の消化・吸収を助ける重要な機能です。
噛む回数が少ないと、いきなり沢山の食べ物が胃に入る事になり、
食べ物に含まれる糖が短時間で吸収されてしまいます。
すると、血糖値が急激に上昇し、膵臓からインスリンが大量に分泌され、
その結果、体脂肪が蓄積しやすくなります。
噛む回数が少なければ、太りやすい体質が出来上がってしまうのです。

噛む回数が多ければ、食べ物が少しずつ胃に入るため、
糖は時間をかけて吸収され、血糖値は緩やかに上昇します。
噛む回数が多ければ、食べ過ぎも、血糖値の急上昇も防げるという訳です。

噛む回数が多ければ、歯茎や顎の筋肉に分布している神経が刺激されます。
それが脳の咀嚼中枢に伝達されます。
すると、脳内で神経ヒスタミンの分泌が促されます。
神経ヒスタミンは満腹中枢を刺激して食欲を抑制し、
脂肪の代謝を調節する成長ホルモンの働きを良くし、
体脂肪の分解を促進します。

食べてカロリーになるのは、糖質、脂質、蛋白質の三大栄養素ですが、
このうち脂質や蛋白質のカロリーは蓄積しにくいので、肥満とは無関係です。
体は糖質が大好物であり、糖質の過剰摂取こそが肥満に繋がります。

内臓脂肪を増やす元凶となるのは糖質の過剰摂取です。
糖質はブドウ糖に分解された後、
血中に入ってエネルギー源として利用されますが、
余った分は中性脂肪に変換されます。
これが内臓脂肪として蓄積されるのです。

2011年6月にアメリカの農務省が発表したマイプレートは、
最も新しい食事バランスガイドだと思います。

マイプレートとは、一回の食事を一皿に盛り付けた食事を推奨していて、
何をどれだけ食べたらいいかが明確に示されているので、
誰でも簡単に実践できると思います。

お皿の半分が果物と野菜、残りの四分の一が肉や魚の蛋白質、
最後の四分の一がご飯やパンなどの穀物です。
これに、乳製品、納豆などを一品プラスします。

マイプレートの食事ガイドラインは、果物、野菜、全粒粉、蛋白質、
乳製品の食品群をバランス良く摂る事を奨励しているという訳です。

これは大変バランスの良い食事なので肥満解消にも奏効すると思います。

マイプレートが推奨する栄養バランスを改善する10ヶ条

自分に必要なカロリーを把握する。
食事量は少なめを心掛ける。
小さいお皿や食器を使用する。
果物、野菜、穀物、乳製品を積極的に摂る。
食事の半分を果物と野菜にする。
乳製品は低脂肪か無脂肪にする。
主食は玄米や全粒粉にする。
ジャンクフードを食べないようにする。
食品に含まれる塩分を把握する。
清涼飲料水の代わりに水を飲む。

肥満者が長生きでない理由

  • 肥満者の細胞内部は活性酸素だらけ。
  • 肥満者は標準者に比べて細胞分裂が10倍も速い。
  • 肥満者の長寿遺伝子Sir2は全く活性化しない。

脂肪を分解する物質

  • グレリン
  • ノルアドレナリン
  • リパーゼ
  • グルカゴン
  • 成長ホルモン

健康的に痩せるための基本ルール

  • 筋肉量を増やす。
  • 有酸素運動で脂肪を燃やす。
  • 余分な糖質摂取を控える。

太らない体を作るための運動

  • 有酸素運動
  • 筋肉トレーニング
  • ストレッチ

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Posted by iPhone at 08:59 | Comment(12) | TrackBack(07) |

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